血液とリンパ液との違い
体内には、血管を流れる「血液」と、リンパ管を流れる「リンパ液」の二つがあることは、よくお分かりになったと思います。
このどちらの川も最終的には心臓に向かいますが、性質や役割は異なります。
今回は、リンパが概ね理解できたところで、血液との違いからリンパの役割を探ってみたいと思います。
ポンプ機能を持たないリンパ系
上の図で示すとおり、血液は、心臓から動脈に入り、毛細血管に至ると、今度は静脈から心臓へと戻って行きます。
血液は動脈を通して、身体に必要な酸素や栄養分を全身の細胞に届け、静脈が身体の各部で生じた不要な老廃物や二酸化炭素を回収して心臓に戻す役割を持っています。
そして、動脈も静脈も、心臓のポンプ機能によって全身を循環しているのです。
一方、リンパはどうでしょうか?
リンパは、しみ出した組織液中にあるタンパク質などの栄養素をリンパで回収し、最終的に合流させます。
また、リンパは血管からしみ出してしまった栄養素を血液に戻したりするだけはなく、動脈や静脈から全身の細胞に漏れ出した水分やタンパク質等の老廃物を回収し、鎖骨リンパを通して再び心臓まで運ぶ役割や、異物の侵入を防ぐ働きもあります。
これらの働きをするリンパ管は血管とは異なり、常に循環しているのではなく、心臓に向かう一方通行で流れています。
血液が心臓によるポンプ機能で血管中を流れるのに対し、リンパは心臓のポンプを利用することができません。
代わりに、リンパ管自体に、自発的に収縮するポンプ機能がり、この作用によってリンパ液に流れが発生します。
ただし、心臓のような強力なポンプ機能は持たず、また、リンパ管に流れ込むリンパ液自体も少ないため、リンパは血液と異なって、とてもゆっくりと流れているのです。
寝ている時は、リンパ管の自発的なポンプ機能でも良いのですが、起きて活動している時は、リンパ管の周囲にある「筋肉」が重要なポンプ機能をしています。
そのため運動不足になると、どうしてもリンパが滞りがちになるのは、このせいなのです。
そのため、その動きはとても遅く
リンパの流れる速度は1秒で0.5㎝、1分で30㎝と言われています。
もちろん個人差はありますが、12時間で全身を一周します。
ただし、体液をすべて循環させてるには数日かかることから、新陳代謝にあ数日かかるのです。
以上のことから、リンパ管は自動的にも動くけれども、大部分は受動的運動によってリンパ液が流れると言えます。
また、運動した時には、手足からのリンパ液の流れは4〰20倍にも増加するんですよ〰。
その他、呼吸もリンパ液の流れを良くするために重要であり、呼吸を行うことで、胸管や腹管、胸部のほかの大きなリンパ管のリンパ液を動かすことができるのです。
なので、リンパの流れを良くするには、
運動をする
深呼吸をする
等がとても効果的であり、さらにリンパマッサージもとっても効果があるんですよ!!
では、血液はどうでしょうか?
人間の場合には、身体中の血管を駆け巡った血液が再び心臓に戻ってくる速度は、わずか25秒という速さです。
血液の速度を計算すると、なんと時速216㎞にはなるそうです。
血液と比べると、いかにリンパ液の流れる速度が遅いかよくわかってもらえると思います。
そんなことから、運動不足でリンパが滞ると、老廃物や菌がいつまでも回収されないという事態が起こり、お肌のトラブルや疲労、むくみや肩こりなどの症状に繋がります。
リンパは液は、流さないと滞るということを理解しておいてくださいね~
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