脳脊髄液の循環を整える頭蓋仙骨療法
皆さん、「頭蓋仙骨療法(とうがいせんこつりょうほう)」について、少し興味が湧いてこられましたでしょうか?
お医者様が作られた療法(アメリカのアプレジャー医師が開発)なので、やはり、とても理論が難しいですよね~
でも、科学的にもとても立証された療法であり、他の手技療法とは一線を画するものであることは確かです。
それだけに、できるだけ、この療法が科学的にも医学的にも優れた療法であることを、皆さんに知っていただきたいと思い、この特集を書いているのですが、なかなかわかりやすく説明するのは難しく、苦戦しております。
前回は、私達が通常行っている肺呼吸は、第二次呼吸であり、頭蓋骨の膨らんだり縮んだりするリズムが第一次呼吸だという話をさせていただきました。 第一次呼吸メカニズムとは?
けれど、第二次呼吸の肺呼吸が始まっても、第一次呼吸が終了するわけではなく、今度は別の重要な役割を担っているのです。
それが、「脳脊髄液を循環させる」ということなのですが、このことを説明するに当たり、まず、「脳脊髄液とは何か?」「どういう役割をしているのか?」について、ご説明したいと思います。
頭蓋骨は28個の骨が組み合わさってできていると説明しましたが、頭蓋骨の内部には、皆さんも良くご存知である、私達が生きていく上で最も大切な脳があります。
そして、もう1つとても大切な物があるのですが、それが「脊髄」です。
下の図は、頭蓋骨から繋がっている背骨の状態を示したものです。
右側は、頭蓋骨に守られている内部の脳を表示しています。
そして脊髄は、どこにあるかといいますと、背骨の中にあるのです。
下の図は、脳から繋がっている背骨の状態を前から見た図になりますが、図の黄色の部分が脊髄になります。
脊髄は、頸椎や胸椎、腰椎等から形成されている背骨の中にある、太い神経(神経の束)のことをいいます。
上の図で示しているとおり、上部で脳と繋がっています。
そして、背骨の複数の箇所かあ身体の各部に神経が出ています。
この脊髄に出入りする抹消神経を脊髄神経といいます。
脊髄は、脳からの司令で手足を動かしたり、痛みやしびれといった感覚を脳に伝える重要な回路です。
くびや腰が痛んだり、手足がしびれたりするのは、背骨の中を通っている脊髄が大きく関係しているんですよ~。
例えば、頸椎(首の骨)の6番目の中を通っている脊髄や神経が傷んだ時には、腕から親指と人差し指にかけて痛んだり、しびれといった症状が多く出ます。また手首をそらせにくくなります。
腰椎(腰の骨)の5番目の脊髄や神経が傷んだときには、太腿からふくらはぎの外側が痛くなったり、つま先を上げにくくなったり、スリッパが脱げやすくなったり、細かいものにつまずきやすくなったりといった症状が多く出ます。
そして、脊髄は、いったん傷ついたり死んでしまうと、修復・再生は難しいと言われています。
脊髄損傷と言った言葉、聞かれたことがあると思います。
首や腰の痛みや手足のしびれといった症状の原因は、様々です。
病気によるもの、怪我によるもの、関節や炎症によるもの、筋肉の縮みによるもの、老化によるもの等々・・・
その中の原因の1つとして、脊髄の傷みがあるんです。
まず、脊髄は痛みやしびれの原因なると覚えておいてくださいね。
そして次に、覚えていただきたい名称は「硬膜」と「脳脊髄液」です。
実は、脳と脊髄は、頭蓋骨だけではなく、さらにその中にある「硬膜」という袋の中に入っています。
この「硬膜」は水様透明の「髄液」で満たされています。
この髄液は、川のように流れていて、この髄液が流れる脳、脊髄の表面を「くも膜下腔」と言います。
この髄液の量と、圧(髄液圧)は、通常ほぼ一定に保たれています。
だんだんと、難しくなってきましたね。
イメージとしては、脳は透明の髄液(脳脊髄液)の中に浮いていると思って下さい。
そして、この脳脊髄液の一番大きな役割は「脳と脊髄を保護すること」なのです。
さらに、脳と脊髄の周りを循環することで、老廃物を排泄する役割もあります。
さて、この脳脊髄液ですが、、脳の中の血液をろ過して作られるため無色透明の液体になります。
そして、1分間に6回から12回のリズムで生成や呼吸を繰り返し、この髄液のリズムに合わせて、頭蓋骨も膨らんだり縮んだりして動いているんです。
そうです、最初に勉強した「第一呼吸」というやつです。
この動きは、非常に小さな動きのため、私達が自分自身で動きを感じ取ることはできません。
訓練を積んだ頭蓋仙骨療法の医師や治療家だけが感じ取ることができる動きなのです。
この第一呼吸は、脳脊髄液を流し代謝を正常に行うためのとても大切な働きになります。
そのため、オギャーと生まれて肺呼吸が始まっても、止まることがないんですよ。
でもやっかいなことに、この脳脊髄液が通る道というのが非常に狭いんです。
そのため頭蓋骨や仙骨にずれや歪みが生じたり、頭蓋骨の動きが悪くなると脳脊髄液の流れが滞ります。
リンパと良く似ていますよね。
皆さんが、良く経験される頭痛ですが、頭痛が起こる原因の1つとして脳脊髄液の滞りがあると言われています。
頭部に脳脊髄液が溜まると、脳が圧迫されるため、頭痛が生じやすくなるのです。
他にも脳脊髄液が正常に流れないことで起こる様々な症状があります。
* 自律神経の働きにも悪影響を与えて、自律神経を乱すことにより、不眠や動悸、息切れを起こしたり
*免疫力や治癒力が下がるため風邪を引きやすくなったり
*低体温やしびれ、疲労感が取れない、良く眠れないといった不定愁訴(ふていしゅうそ)等の症状が現れたり
します。
また、脳脊髄液の流れが悪くなると、脳神経細胞にも障害が現れ、耳鳴りやホルモンバランスの悪化などが起こることがあります。
そんなことから、脳脊髄液の正常な流れを維持することはとても大切なことなのです。
でも脳脊髄液の流れを正常に維持すると言われても、どうやればいいのかわからないですよね~!!
それを助けてくれるのが、頭蓋骨のリズムなんです!!
頭蓋骨のリズムを整えて、中にある脳が深呼吸できるように脳脊髄液の流れを正常に保ってあげることが、健康を維持する上でとても重要になってくるんです。
・・・ということで、それに効果を発揮する療法が、頭蓋仙骨療法なんです。
頭蓋仙骨療法は、頭蓋骨のズレや歪みを調整することで、頭蓋骨と仙骨のリズムを正常な動きに導き、滞っている脳脊髄液の流れをスムーズにする療法です。
なんとなく、この療法のイメージが湧いてこられたのではないかなと思います。
実施の頭蓋仙骨療法の様子は、下記事内の動画でご覧くださいね。
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