リンパの種類(リンパ管)

リンパの構造として「リンパ管」「リンパ液」「リンパ節」の3つがあるとご説明しましたが、今回からは、この3つのそれぞれの役割についてご説明していきたいと思います。

先ず、最初は「リンパ管」からです。


1 リンパ管の構造

脊椎動物には、身体全体に網目のように張り巡らされているネットワークのような「毛細リンパ管」というのがあります。

リンパ液を回収するリンパ管の出発地点が毛細リンパ管です。

下の左図の下方に赤丸で囲んだ部分を拡大したものが⇒右の図になります。

その拡大図の緑色部分が毛細リンパ管になります。

一端が閉じた管であり、盲管として各組織内に蜘蛛の巣のように分布しています。

毛細血管の直系は、約10μm(マクロメートル:1000分の1mm位)、毛細リンパ管はそれより太く20〰75㎛ほどあります。


血管は、上の図のように動脈と静脈が毛細血管で繋がり、輪になっていて、始まりも終わりもありません(血管は上の図のように出口のない回路を形成しているため、心臓と血管を合わせて循環器系と呼んでいます。)が、リンパ管には始まりがあるのが特徴です。

足の先の方にある先の閉じた管がリンパ管の始まりです。

ここから首の方に流れる間に、いくつものリンパ節を通ります。

そして、最後は胸管という太いリンパ管へと合流します。

リンパ管の中には「リンパ液」が流れています。

しかし、リンパ管には、心臓のような特別なポンプがありません。

では、いったリンパ管は集めたリンパ液をどうやって運んでいくのでしょうか?

リンパ管には、ところどころに弁が備わっていて、リンパ液の逆流を防いでいるのです。

そして、呼吸運動や筋肉活動、さらに動脈の拍動などのわずかの外力によって、リンパ液はしだいに中枢方向へと送られて行きます。

さらに、リンパ管は合流を繰り返し太くなっていきます。



上の図は、リンパ管の断面図ですが、この図ではリンパ液は下から上に向かって流れます。

一度、上に行ったリンパ液が落ちてこないようにするために弁があります。

なので、健康な人はリンパが逆流すると言ったことはあり得ません。

リンパ管の流れる経路については、また別の項目で詳しくご説明しますね。


2 リンパ管の役割

では、このリンパ管はいったいどのような役割を担っているのでしょうか?

リンパ管の役割の最大の役割は血管から漏れた水分をすくうことです。

血管を流れる血液は心臓から排出され、全身を巡り心臓に戻って来ます。

しかし、血液の液体成分は常に血管内を流れているのではなく、細胞に酸素と栄養素を届けるために、毛細血管の動脈側で血管から細胞内へと流出するのです。


このリンパ管の壁は、下の図のように、扁平な内皮細胞からできていて、この内皮細胞同士の間がしばしば開いています。


血管から細胞内に漏れ出した組織液は、この隙間からも毛細リンパ管に流れ込んでリンパ液になります。(約10%程)

そして、リンパ管に回収されリンパ液になった後は、再度、静脈へと戻ります。

リンパ管を通って静脈に戻るリンパ液の量は、

1日あたり 3〰4リットル 

ほどで、心臓から排出される血液量のわずか200分の1です。


3 リンパ管の種類

リンパ管には、静脈と同じように、浅いリンパ管と深いリンパ管があります。

浅いリンパ管は、とてもたくさんり、皮下静脈と同じ報告に走っています。

深いリンパ管は、多くは血管に沿って走っており、分岐、結合、網状を形成していて血管をとりまいています。

この浅いリンパと深いリンパについても、別途ご説明いたしますね。

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